なぁ、戦争をしようじゃないか

どうも、ネトウヨ沙耶です。

誰がネトウヨか!!!!!!

今日のネタはまあとりあえずこれで。

田中氏は安倍晋三首相について「憲法を改正して集団的自衛権を認めて、米国と一緒に戦争ができる国にするつもり」と指摘。「(憲法を)変えるのだったら徴兵制にし、自分の国を守るとは何なのか若者に教育すべきだ。そうしないなら憲法改正をしてはいけないし、戦争してはいけない」とも述べた。




まずいろいろ整理しましょう。安倍首相の狙いが彼女の言うとおり集団的自衛権の合法化、そして米国追従の派兵にあるとしましょう。

このときに、
憲法を変えるならば徴兵制にして自国を守るということを教育しなければならない
は論理ロジックとして成立するのでしょうか。

逆説的にいえば、いまの日本国民は自国を守るということを意識していない、ということになります。
…ブサヨが目指している到達点じゃないですか。

それはつまり、国という枠組みが崩壊していることにほかなりません。
国という枠組みを持たないのならば、国会議員も要りませんし、国家を運営する必要もありません。
即刻自らのご発言に従い、辞表の提出をお願いします>田中氏

国を守る、という工程にはいくつかのレイヤーが存在します。シミュレーションゲームなどではこれらを数値化しているので、みなさんよくご存じだとは思います。
ひとつは、経済面における経済活動の活性化。これは、国を豊かにし、国力を高めます。経済活動は単純に国の予算の形で現れます。いわゆる、すべての基盤、金がなけりゃなんにもできない。
もう一つのレイヤーが生産活動。経済活動の一部とも言えますが、農作物、工業製品などの生産力ですね。
さらにその上に技術力のレイヤー。主に軍事技術に焦点が集まりやすいですが、軍事技術だけではありません。あらゆる分野における技術力、というものは軍事を考える段階において非常に重要です。
そして、最後に軍事力。つまり、最終的な攻撃能力や対象破壊能力、戦闘職に属する軍人の数などになって現れます。

このすべてはバランスに依存します。それぞれの分野は相互作用を引き起こしながら、バランスを保持しようとします。
どれほど巨大な生産力をもっており、どれほど巨大な経済力をもち、さまざまな技術分野能力を保持していたとしても。

軍事力がなければ国は守れません。無防備宣言では国は守れません。
無防備宣言とは、銃を突き付けられて、降服か、死か、と問われた時に無条件に降服を選択するという手法にほかなりません。
それは、自分たちを支配するのが”日本”という国であろうが”中国”という国であろうが、”米国”という国であろうが自分たちは変わらない、という思想に基づきます。
基本的に、支配国家に帰属・隷属しない、という意思表示とも言えます。

極端な話、いかなる国家が支配しようが、反逆体制を保持する、という意思表示です。
ガンディの非暴力・非服従に近いですが、彼らは自らのよって立つ国家、というものを理念におき、彼らのよって立つべき国家に隷属し、支配国家に隷属しない、といういわゆる独立運動であり、よって立つ国家を持たない無防備宣言とはその本質が大きく異なります。

ちっとも平和的に聞こえませんが、実際問題そういうことです。
さて。では、現在の日本は国家を守る、ということがどういう事かわかってないのでしょうか。

この点についてはわかってない、かもしれません。それは、私を含めてのことですが。

国を守る、というのは決して銃器を手に取り人殺しをすることだけが国家防衛戦略ではありません。
先にも書いたように、経済・生産・技術・軍事側面すべてのバランスが正常になる状態をさします。
※すべてのバランスがとれている状態で戦争して負けるなら相手の方がより強かったというだけのことです。

このバランスをとる作用を行うのが国家運営であり、内閣府の役目です。その監視と制御が国会の仕事。

つまりですね。
投票率の低下、ってのはこの国家防衛に対する意識の低さと言い換えることができます。
要にあたるバランサーの国会と内閣への干渉権限を放棄しているのですから。

そういう意味で、田中氏のいう国を守る意識の低下は現実として存在します。
しかし、ここからはロジックとして極めておかしなロジックです。

国を守る意識の低下に対する意識向上への働きかけの方法は、ひとつではありません。

徴兵制は確かに強力な洗脳能力をもち、強制力も高く、一時的な意識変革を起こすにはもってこいの手段かもしれませんが、同時に大きなデメリットを抱えます。
まず、かかるコストがものすごく大きい。コストなんか大したことはない、と言っているブサヨは、バランス、という言葉の意味を全く理解していない。
徴兵制は青年層の労働生産力、およびそれに付随する経済活性化能力を大きく削減します。
これに伴い、技術側面へのリソースも急激に低下し、トータルとして軍事力のみが突出するという非常にアンバランスなグラフを作成することになります。

近代に徴兵制を敷いた国において、これを克服できた国は寡黙にして存じ上げません。
経済規模に見合わない軍事力を有してしまうことにより、経済活動は負のスパイラルを形成します。

もう一つの大きなデメリットは、軍事力としてのコストパフォーマンスの悪さです。
軍人の頭数としての総数は増加しますが、熟練を要するハイテク兵器類の操作が可能になるわけではありません。せいぜい、一般歩兵の兵装の取扱を身につけられるくらいです。
重装系の歩兵や、特殊戦歩兵などには当然なれません。と、なると、その一般歩兵の戦闘レンジは通常の携行小火器類のレンジにとどまります。ぶっちゃけ、せいぜいよくて歩哨に立つとか、施設警備とかですね。

軍事力は頭数が増えた分、食いぶちが増加しますし、兵装調達も必要なので大きく肥大化するのですが、戦闘能力の面でまったく向上しません。
携行小火器で爆撃機は撃墜できません。地対空の高射砲やパトリオットシステムの運用、せめて無反動砲などの運用ができるならまだしも、そんな熟練作業を徴兵の一般歩兵に訓練する意味が全くありませんし、やってられません。
数年で辞めるってわかってるやつに教育だけで数年かかるような教育を施すことのメリットが存在しないですし、その技術を教え込んでおいたからといって、いざ有事の際に予備兵となっていた彼らを引っ張りだしてそのときの最新兵器を運用できるかといったら、んなわきゃないわけですよ。

結局、徴兵制ってのは一般歩兵の水増しでしかありません。つまり、軍事面においては全くの無駄。むしろ邪魔。
メリットは田中氏の言うように、洗脳に等しい軍事教練と精神鍛練を行えること、ですが、これも効果のほどは疑問符が残ります。

むしろ、その期間に経済・生産・技術開発活動など、個々にふさわしい活動に邁進させた方が、トータルバランスとなるチャートグラフは大きくなる、というのが基本的に近代における軍事アナリストの結論です。
経済・生産・技術が延びれば、軍事力へ投資できる技術・予算・そして生産向上にともなう各種兵装・備蓄の増加を引き起こせます。
どんなシミュレーションゲームでも、国の基盤をおろそかにして軍事力を上げようとしたら国が滅びます。

徴兵制は無駄だ、と言っている人の多くはこれを基本的には理解している人です。

それでも徴兵制をというのであれば、このデメリットを覆す案が必要なのですが、いまのところそんなブレイクスルーは聞いたことがありません。
前線に立ちたくないとか、そういう理由じゃないのですが、ブサヨにはそれがわからないようです。

前線に立つ以上に国に貢献する方法があるなら、その方法を採るのがベストであろう?というだけのこと。

さて。国家を守る、という意識向上に対してはほかにも手段はたくさんありますが、突き詰めてしまえば国家運用に対する意識向上に他ならないわけで、投票率向上に関する様々な意見はすべて間接的に国家防衛への意識向上案でもあると言えます。
徴兵制は直接的な改革案であるのに対し、間接的な改善案ばかりになりますが、直接的な改革案はいわゆる戦前の教育勅語に類似するような洗脳教育に近いものです。
自由を標榜する国家として、国家防衛に関しての意識改革に直接的な改革案は原則としては用いるべきではありません。んなこたぁ誰でもわかってると思ってたんだがな。

つまり、二者択一とはなりえない、んですね。
・変えるのだったら徴兵制にし、自分の国を守るとは何なのか若者に教育すべきだ。
・そうしないなら憲法改正をしてはいけないし、戦争してはいけない
この二つは択一の対立構造にありません。
田中氏の世界には職業軍人の軍隊というのはありえなくて、徴兵制帝国主義国家と無防備平和国家しか存在しない、というならこの弁もわからないではないんですが。
ていうか逆にいうと

変えるのであれば、同時に若者の意識改革を伴う国家防衛の大枠とその枠組みのための案を提示すべきだ、そうでないならまず憲法改正ありきの議論には賛成できないし、安易な戦争につながりかねない。

田中氏の言葉を変えたものですが、いかがですか?
正直、こう言われたらいまの憲法改正案ベース側はキツイですよ。でも野党はこう言わないし、言えないよね。
これ、逆にいえば枠組み議論をするなら憲法改正を議論も認める、って言ってるのと同じだから。

与野党での戦争の定義があまりにも違いすぎるんですよね。
野党は侵略戦争しか前提にしてないし、与党は防衛戦争しか定義していない。
すべての戦争が等しく侵略戦争であるとの前提を置いてる野党と、侵略戦争と防衛戦争は違う、と言ってる与党って感じですね。与野党にもあほや賢いのは玉石混合なので何とも言えませんが。

ま、とりあえずヒマなら選挙いこーぜ。

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