素人にも分かるように説明してください

という言葉を気軽に吐く人間がいます。沙耶です。

一般的には営業職、経営職の人が多いですが、技術職の人間にとってこれほど意味のわからない言葉もありません。
一般の方々には専門職の人間が、平易な言葉に直して素人にわかりやすく説明するのが当然、あるいは義務、もしくは能力の範疇だと考えている人がいます。

確かに、能力の範疇なのですが、それは言語能力、コミュニケーションの話であって、決して技術能力の高低ではありません。
もちろん、コミュニケーションってのは大切なことなのですが、技術者におけるコミュニケーションとは技術者同士でのコミュニケーション能力こそ業務においてもっとも有用であり、たとえばSEのように客先へ出向くことが多いとか、派遣先常駐型の業務だとか、ヘルプデスクのように、対素人に特化する部隊は存在するものの、けっしてそれがすべてではありません。

むしろ、上位工程における技術能力というのは技術者間言語に特化しやすいですし。

予算獲得の際などに技術者言語が通じなくなる状況では入念に事前準備が必要となりますが、日常業務として常時”素人にも分かるように説明する”ことは技術者のコストパフォーマンスを無駄に浪費しているということに文系の人間は気がつきません。
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