最近解禁になったのでちょくちょく話題が出始めてますね。
高速電力線インターネット、略称PLC。
うたい文句はコンセントにつなげれば全てがインターネットに繋がります!
はい、信じたそこのあなた。
豆腐の角で頭ぶつけてきてください。沙耶です、豆腐の角は痛かったですか??w
高速電力線インターネットとは何か。それを知るためには、まず電気のお勉強が必要です。
などといったら読者の9割が窓を閉じる当blog。
でもちょっとだけね。
電気ってのは水の流れによくたとえられますが、それをすると周波数についての理解がまったくできなくなり、「周波数というのは」っていう話になった瞬間に分かったつもりの理解が破綻します。
なので最初からたとえ話じゃなくて事実を述べたほうがいいんですよ、多分wwwwwwwwwwwwwwwww
まず、電気ってのが何者か、なんて話はおいときます。そんなのコンセントに繋いで蛍光灯がつけばそれでいいんです。それ以上を知る必要はありません。
電気には電圧と電流という要素があります。この説明に使われるのが水での例示説明。
でも沙耶は優しくないので、そんな分かりやすい説明はしません。そして正確な話もしません。
電圧、というのは電流を流すための力です。実際に電化製品を動かすのは電流。
で、この二つを掛け算してあげると、二人の力でどれだけの仕事が出来るか、っていうW(ワット/仕事量)が出ます。PCの電源なんかの性能をあらわすアレです、アレ。
だからどうしたって世界ですね。どうでもいいんですよこんな話。
さて、発電所で一杯作られた電気は、高圧電線と呼ばれるものの上を通って各家庭に配られます。
ここは1万ボルト(適当)とかすさまじい電圧がかかっているため、とっても危険が危ないです。電力各社の鉄塔に近づけないように柵がしてあるのは皆さんご存知の通り。
で、この高い電圧をかけられた電流は変電所という施設に送られます。ここで皆さんのご家庭に入ってくる程度の電圧に変化させているんですね。この作業を行うのがトランスと呼ばれる機械です。
トランスはPCの電源ユニットの中にも小さなのが入っていますが、そのバケモノだと思えばいいです。
#実際には家庭用の電圧より高い電圧で送り出し、家庭用の電圧まで下げているのは電柱に取り付けられているトランスがもう一回変換を行っています。
ご家庭の電圧は100Vですね。一部のコンセントには200Vが流れますが説明しません、めんどくさいからwww
複相とか単相とかもありますがそれも無視です、面倒だからwwwww
そしておうちの中に入ってきた電線(引込線といいます)はブレーカーボックスの中を通って、それぞれのお部屋のコンセントに配られるわけです。
ここまでで質問は? ないね? 一般常識レベルだよね?
さ、次いきますよ。
じゃあ質問。この過程のどこにインターネットに繋がる場所があるんでしょうか。
もっと至極当たり前の話をしましょうか。
インターネットってのは、電気信号を「受け取り」そして、「送り」ます。
みなさんのおうちはすべて太陽光発電でもしてて、電力会社に電気を「送る」(電気の販売ですね)をする仕組みが整ってるんですか?
一応電力会社の名誉のためにいっておくと、この仕組みもつくろうとはしていたと思います。
ただ、余りに無理がある、のはちょっとでも電気かじってれば容易に推測できてしまうレベルの話。
ま、そこは置いておきます。
つまりですね。
PLCってのはとりあえずコンセントに繋げばOK!という話ではない、ということです。
まず、インターネットへの接続のための契約が必要です。ファイバfだとかADSLだとかで。電話線でもいいですけどね。
そして、そのインターネットの接続線をルータなどをとおしたりして、PLCの親機に入れます。
PLCの親機は、インターネットの信号と電力線の電気をまぜまぜして、おうちの中の電気の線に戻してあげます。
まぜまぜされた電気と信号は、周波数がとっても異なるため、相互に影響はほとんどありません。なんてったって電気は60Hzとか50Hzとか、ナメてんのかってくらいゆっくりした波だからです。
インターネットの信号は高速な通信を必要とすればするほど高い周波数の信号になります。
このへんは周波数って何って話になるのでいちいち気にしたら負けですが。
★周波数(余談)★
サインカーブと呼ばれる波を作る信号波形の場合、時間経過を横軸とし、量を縦軸とするとsinAのグラフを描きます。このとき、最大値から最小値、そして再び最大値に戻るということを繰り返します。
この波が、一秒間に何個あるか、というのが周波数です。
60Hzというのは一秒間にその波の山が60回あるということ。
インターネットの電気信号は0と1に変換されるため、この周波数の回数分のデータを送り出せるということになります(実際にはもうっといろいろ詰め込みますが、ここでは割愛)。
60Hzの場合一秒間に60の山を作れますから、0と1のデータが1ビットである、と知っていれば60Hzという状況が60bit/秒だと分かります。60bpsということです。
これは1Byte=8bitとすれば5Byte/s。いかに電力線の周波数が低いかはこれだけで十分分かってもらえるでしょう。
なぜこんなに低い周波数で電気を供給するのか、というと、周波数は低ければ低いほどノイズの影響をうけなくなり、より遠くまで届くようになるからです(減衰が非常に小さくなっていく)。
誰しもが発電所の近所に住んでいるわけではないのですから、発電所から電気を送る必要がある以上、相当遠くまで電気は流れなくてはいけないのです。
高圧線の鉄塔もその目的のためです。より少ないロスで、より多くの電流を、より遠くまで届かせる、そのための仕組みだからです。だから、福井の原子力発電所の電気が東京に送ることが出来るんです。
さて。
そーすると電気とまぜこぜになってしまった信号を取り出してPCに入れるためには、子機が必要になるわけですね。これは親機と完全なペアを組みます。
このへんは暗号化の技術を用いていますががっつり割愛。
高速電力線インターネットとはなんのことはない、おうちのなかでだけ、電力線の上に通信信号をのっけますね、ってだけの話です。いままでのLANの配線がコンセントになっただけです。結局は子機からはLANケーブイで繋ぎます。
家の中にLANの配線をしなくて良くなりますよって”だけ”のために、機器ワンペアごとに数万する機械を使いませんか、って話なわけです。
さあ、冒頭の文句を思い出してください。
どこがやねん!なんでやねん!ってツッコミたくもなりますよねwww
つまり、無線LANのコンセント版だと思えばいいです、PLCってのは。
アクセスポイント(親機)があってクライアントPCに子機をつける。
それだけの話です。子機の下がHUBをかませることが可能ってメリットはありそうですが、それ以上のメリットは現時点ではさしてありません。
そして、PLCの問題点も無線LANと実は非常によく似ているのです…以下次回。