フリーダム、という名の鎖

おはようございます。軍事面では自民に入れるしかないけど経済面では自民に入れたくなどありません。かといって民主も論外なんですが。

沙耶です。無党派層はどこへ向かえばよろしいのでしょうか。
単純にどこかを盲信すればよい一定支持層よりも無党派層が一番苦しんで結論を出している状況だと思うのですが。


その自民に、またひとつ入れたくもない理由ができました。

ネット規制にばく進する自民党 「有害情報」を流せば懲役刑も

青少年育成のため、という名目のもと、有害情報を流したサイトは罰則を適用するとのことです。
無能なんて一発アウトですね。

さて、と。
(1)内閣府に設ける青少年健全育成推進委員会に「有害情報」を判定する権限を与え、
(2)有害情報の排除のため、同委員会や総務大臣、経済産業大臣に、インターネットサービスプロバイダーやサイト管理者に対する立ち入り検査や、削除命令を出す権限を付与、
(3)命令違反者には、1年以下の懲役刑や100万円以下の罰金といった刑事罰を課す

よく読んでください。

閲覧者が18歳未満であることを知りうる機関がこの中に存在しているかどうかを。

答えが決まったら大声で言っていただきましょうか。いったい、この中の誰が閲覧者が18歳未満であることを知りうるのですか?

プロバイダーですか? 違いますね。プロバイダーは金銭授受を伴う契約形態を持つため、法的に未成年での契約は親の承認が必要です。一般形態では親が契約をし、家庭内で子供が利用するというケースでしょう。

このケースにおいてはプロバイダは閲覧者が子供であることを知り得ません。
この場合のアクセス規制を行い、行使し、その責務を負うべきは”親”であり、他の誰でもありません。
携帯電話においても全く同様。買い与え、その携帯でのブラウズや情報のやり取りに”一切の規制”をもたらさなかったのは”誰か”?

親ですよ。ほかの誰でもありません。
親が、有害情報にアクセスすることを意識しておらず、それを規制せず、そして子供が悪影響を受けたからと言って責任転嫁をしているだけです。

モンスターペアレントの論理と何が違いますか?

それともサイト開設者ですか? 違いますね。どうやってサイト開設者が閲覧者の年齢を知りうるのか、教えていただきたいものです。あなたのブラウザは利用者の年齢を送信してくれているのですか?

さて、その結果、懲罰を受けるのは

インターネットサービスプロバイダーやサイト管理者への立ち入り検査や、削除命令

アホですか? プロバイダへの文句ってのはHPスペースのレンタルに対してでしょうけど。拡大解釈すれば海外サイトへの接続経路を提供した、などという言いがかりの付け方も可能ですね。

これが認められるのであれば、一切のサイトは以下の規制に適用する情報を提供してはいけません。

(1)性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす情報、
(2)著しく残虐性を助長する情報、
(3)犯罪、自殺、売春を誘発する情報、
(4)心身の健康を害する行為を誘発する情報、
(5)心理的外傷を与えるおそれがあるいじめ情報、
(6)非行又は児童買春等による青少年の被害を誘発する家出情報

(アクセス制限をうけていない)青少年がアクセス可能な状況にあるサイトは一切これを掲載してはいけません。
(アクセス制限をうけていない)青少年がアクセス可能とはどういうことか。

簡単です。もっと簡単な言葉があります。
言い換えましょう。
日本国内においてのすべてのサイトは、上記情報に該当するものは一切掲載してはなりません。違法です。
なぜならサイトは閲覧者が18歳未満であることを知ることはできないから。

この情報に該当するかどうかは内閣府に設ける青少年健全育成推進委員会が一方的に決定いたします。委員の選出方法は不明。
この条件は非常に厳しい条件で、もし書籍に適用したなら、これが該当しない書籍など、学術書や専門書くらいですね。娯楽系書籍や文学系書籍、すべてアウトです。

分かりやすく言ってみましょうか。
夏目漱石、全滅です。
太宰も全滅。もちろん田山花袋なんて論外。
芥川も全滅ですね。
コナン・ドイルもアウト。シェークスピア、論外。ダンテ。無理。
夏への扉。もちろんアウト。罪と罰。埒外。
旅行雑誌。ダメです、無理やり充てることができます。
グルメ情報誌。アウト。
ファッション雑誌、全滅。
漫画。まず99%すべて論外。

この条件を厳密適用するなり拡大解釈すれば、おそらくすべて可能です。
読んだことがある人なら分かるはずです。分からない人は考えてみればいいと思う。

これが、言論統制でなくてなんだというんでしょう。さすがチンパン。中華のお株を奪うかのような見事な共産支配思想ですね。
申し訳ない。さすがにこれは軍事云々の問題ではない。基本人権は軍事に優先する。

正気の沙汰ではない。何もかもが遅かった、のコピペを思い出す。

ナチスは最初に共産主義者を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私は共産主義者ではなかったから。

彼等は次に社会主義者を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私は社会主義者ではなかったから。

彼等は次に労働組合を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私は組合員ではなかったから。

彼等は次にユダヤ人を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私はユダヤ人ではなかったから。

ある日、彼等は私のもとにやって来た。その時、私は初めて彼等に抗議した。
しかし、その時には、何もかもが遅かった。

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政府は最初にアダルトサイトを攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私はアダルトサイト運営者ではなかったし、利用者でもなかったから。

彼等は次に学校裏サイトを攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私は学生ではなかったから。

彼等は次に有害情報サイトを攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私はサイト開設者ではなかったから。

彼等は次に政府批判サイトを攻撃した。しかし、私は沈黙していた。
私は反自民党ではなかったから。

ある日、彼等は私のもとにやって来た。その時、私は初めて彼等に抗議した。
しかし、その時には、何もかもが遅かった。

日本は、インターネットから切り離されていた。
そこで、何が起ころうとも、海外にはその情報を伝えることができなかった。

そう。チベットのように。


彼らは、これが”何を引き起こすことが可能な”法案なのか分かっていない可能性が高いとは思います。
彼らは正義だと思っているし、言っていること自体に間違いはない。

青少年だと判別がつくならサイト側で喜んでシャットアウトするでしょう。
青少年だと判別がつくなら、ね。

料理をするために、包丁が必要だった。
ホームセンターで包丁が売っていたので購入した。
自宅に持ち帰り、野菜を切ろうと思った。

帰り道で逮捕された。

この状況と全く変わりません。予防不能の犯罪行為。
料理をしなければ(サイトを作らなければ)、なんら問題は起きないでしょう。
サイトを作らなければよい。誰ひとりとして。
情報を発信しなければよい。誰ひとりとして。
マスコミを盲信し、TVを信じればよい。

多分、あなたのところに彼らが来る時には、何もかもが、遅い。

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