オージー、本当に韓国の同類になった模様

豪の連邦裁判所、日本捕鯨船に操業停止命令…動物保護団体の訴え認める

ななめ上。まさに驚くほど斜め上。


何がななめ上かっつーと、排他的経済水域って知ってるか。EEZ。そして領海って知ってるか。

領海ってのは陸地国土から12海里までをその国の領土と定めるもので、そこは他国領土なので勝手に立ち入っちゃダメなとこ。この水域には同国の国内法が適用される海域となる。

EEZ、排他的経済水域ってのは、同様の陸地国土から200海里までをその国家の主要経済活動水域と定め、その水域での優先的漁業権などを有するもの。この水域は公海同様自由な航行が認められるが、その水域での経済活動は同国の認定を受けなければならない。
経済面においては、領海同様に扱うというものだ。国内法は経済活動において適用される。
経済活動を伴わない航行、つまり漁業以外だな。それについては国際法に従うはずで、公海同様としている。

ちなみに、領海やEEZが他国のそれとぶつかるときはもちろんその範囲はさらに狭められ、通常はその中間線を引いて決着とする。

そして、この主権の及ばない海域を公海という。

公海上では自由な航行が認められているほか、一定の条件を満たす限りにおいて、その海域での漁業に制約はかけられていない。
条件ってのは「まあよその国も自由にそこでいろいろしていいわけだから、それを妨げない限り」自由だぜって話。
あたり前だよね。

公海には海底ケーブルを敷設する自由もあるけど、じゃあそれをぶったぎる自由もあるよね!なんて言い出したら戦争だしな。そういうことだ。他人の自由の邪魔をすんなよ、と。
公海に適用されるのは国際法。

さて。では見ていこうか。

まず南極沿岸に設定された「鯨の保護区」とは何か。これはIWC、国際捕鯨委員会によってかつてインド洋に設定されたサンクチュアリのことを指している。
セーシェル諸島国によって提唱がなされ、オーストラリアがこれをバックアップし、インド洋にクジラの保護海域としてのサンクチュアリを制定、IWCによって科学的検証のために一定期間その海域での捕鯨が禁止された。

しかし、最終的にこのサンクチュアリが実際に効果があったのかどうか、という科学的検証はなされなかった。なぜなら、支援国家はこれをいたずらに引き延ばし、各界の興味は薄れ、いつの間にやらうやむやになってしまい、IWCにはロクなレポートも上がっていないというありさまだからだ。
日本がサンクチュアリの制定に反対を唱えているのも、かつての先例があることと、その効果が定かではないこと、そしていたずらにそれを拡大させ、無用に長期化させることを目的とした国家がいるためだ。
誰とは言わないが、自覚くらいあるだろ。

調査捕鯨を行っているのも、サンクチュアリの明確な効果測定のため、という側面もある。科学的にサンクチュアリが効果があるのであれば、それはそれで一つの意味のある結果だとは思うしね。

さて。IWCが制定するってことは、クジラの保護区、サンクチュアリは国際法に従って発行される。

まずもって、”国内法に従って発行されるクジラの保護区”というのは”領海の範囲内”以外あり得ないのだ。EEZは排他的経済水域ではあるものの、調査捕鯨などのような科学的検証を妨げることは”国際法によって”禁じられているため、この水域に対して漁獲高制限や漁獲禁止を言い渡すことは可能だが、それはあくまで商業活動に絞られてしまうためで、科学的な検証活動や調査活動、海底地図の作成のような行動を抑制することは”できない”。

記事文面をみるとこうある。

・同国が国内法に基づいて南極沿岸に設定した「鯨の保護区」

南極。さもありなん、である。南極条約には批准しているが、かの国は「南極の1/4ほどはオーストラリアの領土である」と主張している国家だったりするからだ。
南極条約では批准国に対し領土権の主張、およびそれに伴う請求権の主張を凍結することを義務付けている。

ちなみにほかに領土権の主張を行っているのは、チリ・アルゼンチン・イギリス・フランス・ノルウェー・ニュージーランドである。

つまり、これが意味するところはただ一つである。南極沿岸部はオーストラリア領海である、という主張にほかならず、南極条約に対して一方的破棄を通告したに等しい。
ちなみに南極条約は日本も率先して旗を振っているが、これの全面支援をしているのは例のとりあえずブン殴ればいいんじゃね?って思ってるあの国である。オソロシス。

そして、この水域を保護区と認定し、それを同国の国内法に基づいて操業停止命令を出す、ということは。
領土拡大ですか。いつの間にか。竹島みたいに。
しかもそれを最高裁が出したということは、同国司法はその法的根拠が同国にあること、そしてそれが法令として矛盾がないことを認めるということ。

いやぁ、びっくりしました。南極条約が定まってから、確かに埋蔵ウランについてどうするかでもめてはいますが、いきなり反故にする国家が出てくるとは思っていませんでした。しかも司法機関のお墨付きまでつけて。
どうすんですかね、オーストラリア行政部。

これを司法命令通りに実行するとすれば、自由航海が原則の海域であるはずのEEZに軍艦出さなきゃいけません。強制力ってのは結局そういうことです。
外交ルートからこんなこと言われても「は?え?なに言ってんの?」しか思いませんよこんなのさすがに。

EEZに軍艦出して排斥したとなると、明確な敵対行動ってことになっちゃいます。ぉぃぉぃ。
しかし、じゃあ何もしないってわけにもいかないわけです。
司法で結論が出た以上、行政はこれに従わねばなりません。これは三権分立の大原則。
行政は司法判断の適正を判断する機関ではないからです。当然ですね。

やらなかったら司法命令が出ているのに従わない行政ってことになると、これはこれで困った話で、オーストラリアは法治国家ではない、ということになってしまいます。
だいたい、そんなことになったら民衆からの突き上げもきつくなるでしょうし、あの国の世論の大多数はこの司法判断を支えているでしょう。

結論として、オーストラリア行政府は動かざるを得ないわけです。どれほどこれが理屈的におかしかろうとなんだろうと、何かしら理屈付けてでも。
操業停止命令ですよ? どうやって履行すんの…EEZの他国船籍に対して…。

白人国家がこれを軒並み支持しそうなのがやな感じではあるのだけど。
アメリカの大統領選の混乱真っ最中にやってくるとはいい根性ですね…。

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