正論は正論ですよ。

負け犬の遠吠え的感覚はあるにはあるけど、言ってることがむちゃくちゃズレているわけではない。

DVDの価格ってのはニコ動画が違法か合法かってのとは本来の意味では別の話。
そこに言及したら負けだって気付いてないとこが痛いけれど。


言ってることは確かに正しい。そのとーり。
だがね。ちょっとたとえ悪いよ。そして、価格の話に自分から突っ込んじゃった時点で泥沼化する。

この話は、著作権を守るのに
「ニコ動のup作品を著作権者側で取り締まらなければならないのか、それともニコ動側で取り締まるべきなのか」
という一点に絞られていれば、もう少しまっとうな議論になるのだがね。

自分からDVDの価格あがるよーとか既得権益(笑)なんて言っちゃった時点でアウト。その問題は、確かに間接的には関連するものの、事象の本質ではない上に、クリエイター側が絶対有利なフィールドではない。

じゃ、論点を整理してみようか。
「ニコ動のup作品を著作権者側で取り締まらなければならないのか、それともニコ動側で取り締まるべきなのか」
の一点に絞った場合。
著作権は本来親告罪であって、著作権者にしか告発できない。つまり、法整備的にニコ動にそれを取り締まるべき権限は”ない”。
一方で、著作権者の言い分もある。すべてのそういうサービスのすべての動画をチェックするなど、著作権者側には物理的現実的に不可能、というものだ。

これは、どちらの言い分も正しい。つまり、この場合は著作権法自体にすでに現実に対応する能力が存在せず、形骸化を始めていることを示している。
この場合、新しい著作権者保護システムと法整備を急ぐべき、という論調と進展を見なければならない。

ここに、本来DVDの価格だのは入り込む余地はない。ましてや、新法において既得権益を保護すべきだなどという論調は論外という話だ。というかんなことを大っぴらに言う馬鹿は死ねばいい。

そして、DVDの価格の話。映画と比較してる子もいるけど、それはちょっとかわいそうだ。製作費はケタはずれに違うし、公開状況も異なる。映画館興行収入部分がないだけでも、その小売価格を単純比較はすべきではない。

だが、同時にDVDを販売するという形態のみが収入減となっているビジネスモデルが本当に破たんしていないのか?という検証なしにこれを論じてるクリエイターも愚かと言わざるをえない。

駐車場の件にたとえているが、実際スプレー缶もった餓鬼が駐車場の周りにたむろしてんのに、ってのは例えとしてかなりおかしいし、歪だ。

正当な販売者として存在するなら、クリエイターはディーラーだろう?
ディーラーにやってきた客に車を売った。売った車を買った人の一部が、それをバラしてまったく同じ車をコピーして無料で配ってた。

一番悪いのはコピーしたやつ。
二番目は誰? クリエイターはこういう。「コピーと知りつつその車のコピーを持って帰ったやつだ」
果たしてそうか?
コピーであることを”知っていた”ことをどう証明できる?
相手が”コピー”するかもしれない、ことを前提として知っていながら、売った人間には責任は存在しないのか?
さらに言えば、家庭内での利用や個人的な利用であれば車のコピーが複製権として認められている点がこれに拍車をかける。

つまり、車のコピーを禁止することも本来的には消費者の権限侵害となる。

だが、現実としてどうだろう。私的複製を侵害してでもコピーを止めたがっているのはクリエイター側であることは明白だ。
そうなれば、消費者としての要求は単純明快だ。
我々の権利を侵害するならば、ディーラーの価格を下げろ。そこに既得権益とやらが絡んでできないというならば交渉のテーブルは決裂するにきまっている。

俺たちは旨い汁を吸いたいから貴様の権利を無視するが貴様が俺の権利を無視するのは許さない。

そんな馬鹿な話があるものか。
交渉のテーブルにはみんなついてくれているぞ。だからこそ、安くするべきだ、と指摘されているわけだろう。耳を傾ける余地がないのは君らではないのか?
対価を払うことに問題はない。だが、それが”適正であるか”どうかは別の問題だ。

権利を侵害する以上、つまり、こちらの既得権益を排除しようとしている以上、対価として君らも既得権益を一部捨て去らねば対等ではないではないか。
消費者と制作者は対価という共通の価値観をもって対等の立場に立っているはずだ。
君らが天上人で、こちらが下界の愚民だと君らが認識しているならその発言もしかり、だが、そうではないはずだが。

違ったのかね? 我々消費者は製造者の財布であって対等に立つモノではないのか?

著作権、コピーアットワンスなどの提言でのパブリックコメントが始まっている。
少なくとも、何らかの文書を送ってみようかな、と思ってるとこではあるけど、なかなか旨くかけないな。
そちらにはそちらの言い分がある。
こちらにもこちらの言い分がある。

すり合わせはどこでするんだい? 言ったら言いっぱなし? お互いそれじゃいつまでたっても溝なんか埋まらねぇだろ。
対価を払う用意はある。コピーガードでのある程度の利用の制限もいたしかない、と思う部分も多い。

こちらはここまで譲歩しているが、そちらから一度も”業界での既得権益”についての整理、あるいは規制についての発言がないのはあまりにもバランスを欠いてはいないか?
君らは価格について言及してしまった。それゆえに、こちらは権益構造に依存し、中間搾取で無駄に膨れ上がっている君らの制作物のコストに対するジョーカーを切ってしまえる。
コストが適正でない販売物を何と言うか知っているか。


教えておいてやる。心に刻み込め。

高かろう悪かろう、詐欺商法。

消費者がそれを詐欺だと判断しているからこそ売れていない。その現実に気付け。
価格、に言及するとこちらからはこのカードが出てくることを覚えておけ。

論戦を有利にしたいなら、そこに触れたら泥試合。そして、そこに触れずにこの問題を通り抜ける解法はすでにない。
新法を作るにしろ、その権益構造と適正コストに関しての問題は表面化する。

いつまでも逃げてんじゃないよ。テーブルにつけよ。
こっちはずいぶん前からてめぇらがちゃんとテーブルに着くのをまってるんだ。
テーブルを遠巻きに眺めて、手の届かないとこから石を投げるのはいい加減やめたらどうだ。
お互いに後ろ暗い部分はあるだろ。そこを整理しなけりゃ一歩も進めん。

てめーらが自分には後ろ暗いとこなんざねーよって言うのは自由だが、それを言うならこちらも対話のテーブルなんぞについて待ってる必要は何もない。
貴様らが悪いこと(過剰コスト)してんだからこっちだって、とは言わないが、まじめにその過剰コストに付き合う気もないし、一部の連中が悪いことしてるからってこっちの権利に手をつけるならブン殴るぞてめぇ。
そっちは一部どころの話じゃねーだろうが。

0 thoughts on “正論は正論ですよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です