読んでない人は出題から読み直して来てねっと。
終わりと、はじまり
この作者の人のはいろんな矛盾をそこかしこにちりばめさせている。
では、行こうか。解決編へ。
やる夫が殺人事件に挑むようです 第三話「まあだだよ」(解決編) その1
やる夫が殺人事件に挑むようです 第三話「まあだだよ」(解決編) その2
はい、犯人は非常にわかりやすいミステリでしたね。
十分に予測可能でした。動機は予測できませんでしたけどね。
さて。
読後に違和感を感じた人。
あなた、ミステリ読み慣れていますね(くす。
まず第一に、いくつかのメタファが未回収のまま取り残されていること、が最初に感じる違和感ではないですか。
ライ麦畑の石碑。
二次元島の名前の由来。
そして冒頭の親子のかくれんぼ。
このあたりがひっかかっていれば合格点ですかね。
これは、誰のイメージなのか。
さらには第二にThe Closed Worldとやる夫の言葉「ワシ自身を閉じ込めるもの」、ことあるごとに出てくる「閉じ込められる」イメージのメタファ。
最後に、そして回収されているようでまったく回収されていないこれらの要素。
しかし、それらが物語から決して乖離しない距離を保ったままであること。
物語をプロットもできずに書いた場合によくありますね。取り残されてしまうメタファ。伏線の回収ができていない、ともいいますが。
これは、ミステリにおいては致命傷なんですね。三文娯楽小説なら別にいいですけど。
そして破られているノックスの十戒。
取りだされた、”存在しないはずのマスターキー”。
これらの点で、この物語はミステリとして破綻したのです。つまり、これは
この、物語は
ミステリでは、なく
やる夫が殺人事件に挑むようです 1
やる夫が殺人事件に挑むようです 2
やる夫が殺人事件に挑むようです 3
メタであることに気づく、わけです。うまい構成。ぐいっと引きこんでくれます。
練りこまれてるなぁ。
つまり、書かれた物語、出題から解決まではやる夫が持ち込んだ物語と現実の混在。
それを眺める劇中劇の登場人物二人。
そして、物書きならばここでこれがメタであると気づけなければ失格クラス。
序盤に登場する『石碑』、
『似次元島』という島の名前、
妙な存在感を放つ、ライ麦畑。
主人公が時々口にする、深遠な台詞。
そして、ミステリーとは全く関係ないが、確実に物語に
何らかの影響を及ぼしているであろう展開。
全てが異質だ。 全てがミステリーとかけ離れている。
この小説はミステリーではない。
ミステリーの皮を被った、別の”何か”だ。
やる夫君、君は本当は一体、何を書こうとしている?
ダディ、編集者役だけあってきちんと捕えてきていますね。
ミステリではない何か。
こういった劇中劇や観測者視点の物語は古くからある技法の一種です。それほど目新しいものではないですが、実に巧みに初回からきちんとちりばめてきています。
そのうえで、メタであることを気づかせるヒントはバラ捲かれており、ある種のミスリードを誘発しながらも物書きへの挑戦的にふりまかれるメタファ。
どこでメタであるか、に気づけるか、が今回の物語の謎解きであったこと、気づけましたか?
ミステリは読者と執筆者の知恵比べ。
あなたは、トリックを見破れましたか?
作者に知恵勝てましたでしょうか。
誰かと誰かって浮かぶなぁ( ̄ー ̄)
タイトルで思い切りヘイト引いてるよ~な気がするのはウチだけですかぁ?(笑)
楽しそう~(=^_^=)良いなあ早く遊びたい~(T_T)