という言葉を気軽に吐く人間がいます。沙耶です。
一般的には営業職、経営職の人が多いですが、技術職の人間にとってこれほど意味のわからない言葉もありません。
一般の方々には専門職の人間が、平易な言葉に直して素人にわかりやすく説明するのが当然、あるいは義務、もしくは能力の範疇だと考えている人がいます。
確かに、能力の範疇なのですが、それは言語能力、コミュニケーションの話であって、決して技術能力の高低ではありません。
もちろん、コミュニケーションってのは大切なことなのですが、技術者におけるコミュニケーションとは技術者同士でのコミュニケーション能力こそ業務においてもっとも有用であり、たとえばSEのように客先へ出向くことが多いとか、派遣先常駐型の業務だとか、ヘルプデスクのように、対素人に特化する部隊は存在するものの、けっしてそれがすべてではありません。
むしろ、上位工程における技術能力というのは技術者間言語に特化しやすいですし。
予算獲得の際などに技術者言語が通じなくなる状況では入念に事前準備が必要となりますが、日常業務として常時”素人にも分かるように説明する”ことは技術者のコストパフォーマンスを無駄に浪費しているということに文系の人間は気がつきません。
これが、外部とか客先とかならまだ理解はします。クライアントは当然業界の人間ではないのですから、知らなくて当然ですし、それを説明するのは仕事です。
もちろんそこには対素人コミュニケーション能力の発動が必要ですし、それには労力とコストがかかりますが、それは請求書に織り込み済みです(というか織り込んでいなければいけません。
問題は、この言葉が社内から発動したときです。
技術者は、社内においてもある一定のレベルまで平易な文章に置き変えてしゃべるのが普通です。
「snmpdでmonitorしてるけどLoadAve.がちょっと高すぎる。vmstatで調査するよ。si/soがたぶんヤバそうな気がするからhdparmのほうも一応チェックしとく」
ええ、こんなの初歩ですけどこれが通じる営業とか経営なんていないでしょ。
だから、もっと平易な言葉に置き換えて普段からしゃべっています。そこには、(ある程度)平易な文章に置き換えるというコストが発生するものの、ある程度までは仕方がないことだとは思います。
その判断基準はいろいろあるでしょうが、曲がりなりにもIT企業の社員を名乗るなら、しっとけ?くらいのレベルまでは皆さん落としていると思います。
しかし、それでもこの言葉は発生します。
技術者がクライアントに素人向け平易な文章に置き換えれるなら、俺にもそれをよこせ、という意思表示なのか何なのか、平気でこれを言います。
つまりこれはこちらが考えている「これくらいはIT社員なら知ってるだろう?」ってレベルと向こうの「俺の知ってるIT言語」が著しく乖離を起こしている証拠です。
先にも述べているように、クライアント向けにしゃべる時のコストは本来請求書に織り込まれています。
それを社内に向けてやれ、というのは一切のキャッシュバックのない浪費に等しく、代価のない無駄を強いているということです。
もしくは、それがゼロコストだと認識している営業などであれば、客先に出している見積もりにもそのコストが計上されていない可能性もあるでしょう。
素人にもわかるように説明してください、などというのは免罪符足りえません。
入社時からRAIDとバックアップは違う、とことあるたびに説明しているのですが、今だに営業はRAIDがあるからバックアップになるし、という時があります。
そしてそれは違う、というとこういうのです。
「知ってるけど、似たようなものだろ」
全然別モノです。これは、彼らがバックアップをHDD障害時の復旧手段としてしかとらえていないということにほかなりません。
「君は知ってるからそういうけどお客さんはどっちだっていいんだよ」
よくありません。客のリクエストとして、HDD障害と人為破損、どちらに対応してほしいのか仕様上明確にされていません。それを聞けば
「両方に決まっているだろう。君は馬鹿か。」
だったらRAIDもバックアップも要るだろが。
「なんで。RAIDあればバックアップになるだろう」=>初めに戻る
こんな会話を何度したのか。2回は我慢します。3回目はもう無視しますし、忠告もしません。
その際にRAIDの仕組みもバックアップの仕組みもすべて解説したうえで、この会話が起こるのです。
それでは、人為破損に対応できませんよ?とかの忠告はもうしません。
単に、「こいつとは会話できない」と切って捨てるだけです。
まあ、取り留めもなくこんなことを書いたのは、こんなエントリを読んだからです。
★ ちなみに ★
非常にまれなケースとして、「俺は技術的なことはわからんから、それはおまえにまかせる。責任は俺が取るからおまえが正しいと思うことをやれ」と言い切るケースですが、実際に遭遇したことはありません。
うちの会社では社長がこういったので好き勝手やったら「金は出せないしもっと現実的な話をしろ」と言われました。
ええ、サーバ止めるな、って言われたからフォールトレランス(耐障害性)を提唱しただけですが何か。
意 味 が わ か り ま せ ん 。
じゃあサーバ止まっても問題ないですねっていったらそれはだめなんだって。お金かけずに何とかする魔法使いか何かだったようです、ぼく。
仕方がないので会社では毎日魔法少女よろしくぶつぶつ魔法の言葉を唱えていますが、なぜかサーバが止まるんですけど、何かおかしくないですかね。
ちなみに正しくは期待しているのはたぶんアベイラビリティ(可用性)の向上を求めているのだとは思いますが、アベイラビリティとは単一の作用でどうにかなるものではなくて全体の底上げがあって初めて実現するものですよと。
もちろんわかってもらえませんでしたが何か。素人にも分かるように説明したんですけどね。
帰ってきた答えが知りたいですか? たとえば電源二重化。
「それをすればサーバは止まらないのか?」
「電源の障害では止まらなくなります。電源以外に障害が起きればそれは止まります」
「じゃあ意味がないからほかの方法を考えろ」
意味がないのはお前の脳みそだと思う。俺、変なこと言ったのかなぁ。
さて、うさださんのとこで見かけた「素人にも分かるように説明してください」の意味の説明がこちら。
つくづくその通りだよ、畜生。
どっかの○越とか○紫なんかは、死んだら人じゃないから人権はないっていうスタンスみたいですけどね。( ´_ゝ`)
死んだ人は人権はって
病気やそのほかで死んだ人を葬るのに「廃棄物処理法」に拠るのをふと思い出したぉ
火葬でも土葬でも「処理」なので法律的には「物」扱いなんだぉね・・・
もし死人に人権ナシと言うのがそこから来てるのだったら、弁護士殴りにいきたい・・・・
死んだらモノってことになってても構わない。
その人が生きてた時の権利は”守られなければならない”
死んだから生前の人権を踏みにじってよいというなら死後50年を保障する著作権は憲法違反であるとすることができる。
著作権は著作物に付与され、著作者に帰属していないとか詭弁をふるうなら著作権料は著作者に帰結しなくても問題ないということになる。
著作権が死後も生前の著作者に帰属している以上、鬼籍に入った人の人権を踏みにじってよい理屈には、ならない。
それに、そんなの無視していいよってんなら解剖も献体も生前の本人の意思を無視して病院から徴収できるってことになってしまう。
”死体”が人か物か、って話なら、それは”モノ”に分類するしかないんじゃないかとは思うよ。
感情的な話というより、そこはもうそうするしかないよね、って状態だしね。
死んだら人ではないってのと、生前の権利を守られなかったから死ななければならなかったってのは別問題だろうと思うぜ。
それがまかり通るなら人を殺し放題ってことになるね。
ああ、殺したさ。だからどうした?
俺がなんの罪を犯した?
そこに転がってるのは死体って名前の”もの”なんだろう?
じゃあ器物破損だな。すまんかった。弁償するよ。いくらだい、それは?
なに。生きていた人だから殺人?
なに言ってるんだい? いまはもう”モノ”だし生前の権利は守られなくていいなら、それが”人”であったときの生存権はすでに消失している。
殺した俺がその生存権を蹂躙したとしても、それを咎める方法はない。なんたってこれは”モノ”だからな。ほら、だから器物破損だろう?