なんでも評点さんを読んでいたら、最近一眼レフを買った、みたいな話が上がっていました。

そこで表示されていたのが、OlympusのSP-590UZ。

…一眼…レフ…？


そうですねぇ。形としては一眼レフに非常に近いですから、レンズ非交換型の一眼だといえばそう見えるかもしれませんね。

ただ、これは一眼レフ、ではありません。一眼だと言えば一眼ではあるのですが、”レフ”ではないです。

一眼レフ、とはレンズに入射した光を、プリズムやミラーによって反射誘導し、ファインダーに結像を届けるもの、です。
レフ、とはドイツ語のシュピーゲル・レフレックス、鏡の反射、を意味する言葉の一部分です。

つまり、レンズからの入射光を鏡の反射を利用して光学的にファインダーに導かなくてはレフ、とは言えないのです。
このため、一眼レフの仕様には必ず”何を使ってこの光の誘導を行っているか”を記述してあります。
ペンタプリズム、とかペンタミラーといった記述ですね。ちなみにプリズムのほうが高額です。
そして、このミラーをはね上げることによってイメージセンサーへ初めて光を当て、このミラーを下すことでセンサーへの光の誘導をカットします。これが、シャッター速度になります。ミラーが何秒跳ね上がっているか、を現すもので、イメージセンサに何秒光を当てるか、を決めるものです。

ここは超絶物理機構でして、このミラーをはね上げるため、シャッターの瞬間はファインダーは必ず暗くなります。
そして、シャッターを上げない限り、一眼レフは原則的にイメージセンサーに光は入ってきません。

これはどういうことかというと、シャッターが上がらない限り、背面の液晶には何も写せないわけです。

さて、ではSP-590UZなんかはどうなっているのでしょうか。

仕様を見てみましょう。

ファインダーは電子ビューファインダーとなっています。EVFですね。これは、イメージセンサーにはずーっと光が当たっている状態です。イメージセンサーに入った光を電子処理して、ファインダーの部分に液晶モニタを搭載し、そのモニタに表示しているもの、です。

この二つは似ているようで全然別モノで、要はファインダーに見えますがカメラの液晶画面を見ているのと変わりません。一眼レフっぽいファインダはあるし、接眼レンズっぽく見えますが。

人間側が光学結像を確認できない、という点ではコンデジと機構的には同じです。

そういう意味では一眼ではあるけどレフしない、というのはシグマのDP-1/2なんかも同様ですね。
こちらが一眼レフの機能を、といったうたい文句になっているのは、ひとえにその巨大なイメージセンサーにあります。APS-Cに近い大型サイズのFoveonのイメージセンサーを組み込んでいるためですね。
こちらはフォーサーズよりも大きめのイメージセンサーです。APS-Cよりは一回り小さいですが。

ただ、最近はライブビューなどでシャッター中も映像の確認ができるものなども出てきてはいます。
それでもレフの機構を省いているわけではありません。
それが、ライブビューです。

ライブビューは、いくつかの方法が存在しますが…。ミラーを半透過してイメージセンサにも光を導くもの（光量が減る）、あるいは常時シャッターを上げっぱなしにし、液晶に表示するもの（この場合シャッターは電子制御的に動く）などですね。
オートフォーカスにおける位相式においてはどうしても光学結像を必要とするため、フォーカス時にミラーが降りてくるものもあります。

これらの実装がなされたために、一眼レフでも動画撮影などの機能を積んだものが出てきました。

なぜ、一眼レフは高級機なのに動画が撮れないのか、といった面はそもそも一眼レフがどういう仕組みであるかを理解していれば容易なんですね。
そりゃそうなんですよ、普段はイメージセンサーには光当たってないんですから。
一眼レフのスタイルはそもそもファインダーを通して撮る、というのが一般的でしたしね。

じゃあそもそも一眼もライブビューなんかでイメージセンサーにあてっぱなしにするんなら、コンデジなんかに搭載されている電子制御と電子化処理の方が圧倒的に正解なんだな？ってことになると、これはちょっと違います。

たしかに、ライブビュー便利です。最大のメリットは”映像エンジンが処理した、撮影後のデータそのものが確認できる”点でしょうね。フォーカスにしろホワイトバランスにしろ露光にしろ、現在のステータスで撮影したときの映像そのものが映っている、のは利便性においてはすごくポイント高いです。
また、動画の撮れる一眼とかも面白いのが出てきています。

が、しかしじゃあそれはどっちが正解なのか、っつーとこれはもう好ききらいの世界な気がしますね。こだわり始めちゃうと銀塩に戻れよｗｗｗｗって話ですしね。
所詮最終的にはデジタル処理するんだから、って考えちゃえば、ねぇ…。

まあ、基本はRAWで撮るってことになるのかも知れませんね。メモリーカードでっかいの買ったらRAWでも相当枚数はいるので。
とりあえず気温が高くてバテ気味です。