空への夢はオトコノコの永遠の夢

というわけで、事情はどうあれみんなヒコーキは好きなはずです。

いや、むしろ好きじゃないとイヤですw 沙耶です。


さてはて。ゴブリンとかスピリットとかでてきたおかげで次のクロスレビューに何が出てきてもおかしくなくなってしまいました。

A-10マンセーとかゆってるアホがいるので、真の空飛ぶ火力はもっと極端だと知らしめてやりましょう。
サイドワインダーなど飾りです。制空権取れてない空域で飛ぶんじゃねぇ。というのをさらに発展させたのが、いわゆるガンシップ。間違ってもナウシカのアレじゃない。
アレはどう見ても制空権確保のための戦闘機にしか見えません。

真のガンシップを見せてやる。

AC-130

中型戦術輸送機であるC-130をベースにした機体である。C-130Hは空自の主力輸送機なので、小牧とか適当な空自基地見物すればすぐ転がってます。
こいつは中身によってものすげぇ数のバリエーションがあるため、網羅するとかは無理だ。空中給油機や海上哨戒機、先のAWACSに近い機能を持たせたものなどさまざまです。
4発のターボプロップにより、70tもの自重で飛翔し、滑走路のない荒地などでも離着陸可能なように設計された汎用輸送機。


この輸送機にとにかく手当たり次第に対地攻撃のための兵装を突っ込んだのがAC-130ガンシップである。通称AC-130H スペクター。亡霊をその名に冠する、まさに飛翔する最大火力。
A-10の主力砲撃である30mmガトリングなど、子供のおもちゃに過ぎない。
AC-130の内蔵する火力は、はるかにそれを上回る。
AC-130Hでは105mm曲射砲を主力砲撃とし、40mm機関砲を各1門、20mmガトリング、7.62mmミニガンを各2門搭載する。このすべての兵装は機体左舷に砲門を持ち、攻撃対象となる敵地上軍上空を左舷を地上に向けて旋回することで、絶え間ない砲撃を地上に降らせることができる、空飛ぶ機動要塞。


その砲撃能力があまりにもとんでもないため、フルスペックでの地上攻撃の際は乗組員は空薬莢をスコップで機外に投棄しないと埋まってしまうというほどである。
現在AC-130U スプーキーが最新型となる。こちらにはAC-130Hの20mmバルカンを25mmガトリングに変更、ヘルファイア対地ミサイルの搭載も予定されている。


もとのC-130が超重量での飛行が可能なように設計されていること、非滑走路への着陸のために全体に剛性が高いことなどから地上からの攻撃にも決して弱くはない。そもそもAC-130が攻撃を開始して頭出してる地上軍など反撃する前に蜂の巣になっている。
対地攻撃機はどうしてもその性格上、泥臭く血なまぐさい殺し合いを実感させてしまう機体でもある。


あん? 105mmってどれくらいかわからない? 自走榴弾砲やら重戦車の主砲クラスだといえばわかるか? 高射砲なんかもこのクラスに多い。ちなみに戦艦大和に載ってた高射砲が120mmクラスだったかと。アレの主砲は460mmもある上、200発撃ったら砲身が圧で寿命を迎えるという化け物砲門だ。後にも先にもここまでの巨大な砲門は類例がない。それゆえの伝説の艦でもある。
40mm機関砲というのは艦船なんかによく搭載されるものとサイズとしては同類となる。
というか見てもらったほうが早い。40mm機関砲(のしろ)。もちろんこんなのがそのまま載っているわけではないが、砲門のサイズくらいはわかるだろ。105mmはこれの2.5倍くらいある口径の砲塔だ。


うん、こんな砲門が空中から狙ってくるんだ。生きた心地しないよね。ていうか生かして帰す気ないよね、あきらかに。



対地攻撃機で空戦などは本来するもんじゃない。と割り切ってしまえば対地攻撃機に必要なものは戦車をつぶせるだけの火力、地上から打ち上げられる対空ミサイルを回避するためのフレアとチャフ。それだけだ。サイドワインダー? いるかボケ。上空の敵は上空を制圧できるやつがやればいいんだ。

という理念を忠実に実現したらこうなりました、の典型。アパッチやコブラなどの対地攻撃ヘリも同様の理念だが、大型ローター一個でホバリングしながら定点を攻撃するのに適した攻撃ヘリと異なり、ある程度広域展開した敵地上軍を殲滅することができる航空機である。
AC-130の適用できる範囲以上になればそれは爆撃機の出番だ。

★となると爆撃機の出番だ★

そしてやっぱり爆撃機の中でも極端なやつを出しておこう。
XB-70 ヴァルキリー。2機しか製造されず、そしてそのうちの1機はすでに事故で失われた。戦乙女の名を持つこいつの、本来の役目は核攻撃である。大きなカナードとデルタ翼をもち、SR-71のように細長い超高高度機的フォルム。


大陸間弾道ミサイルがまだ実用化されていなかった時期、アメリカはソビエト本土への核攻撃手段を模索した結果たどり着いたのがこの爆撃機の設計理念である。
海軍にはA-5 ビジランティのような核攻撃機能を持たせた高速攻撃機がある。だが、空軍は独自の発展を遂げた。つまり、要は高速でアメリカ本土を飛び立ち、無補給で地球をぐるりと回れるならどこへでも爆撃できる。
そして生まれたのが、XB-70 ヴァルキリーだ。この理念はかのカーチス・ルメイ(※)による提唱である。
※東京大空襲に代表される対日無差別爆撃を提案し、実行した人物。


アメリカ-モスクワ間を無補給で往復できるマッハ3で飛行する爆撃機。XB-70やA-12(後のSR-71超高高度偵察機)のはじき出すこの速度に追いつける戦闘機として生まれたのがMiG-25 フォックスバットである(この高速戦闘機は後に一撃離脱型のソビエト空軍機を生むことになる)。


ICBMの開発や、軍事予算の縮小から大規模な配備はないまま終わったが、SR-71やXB-70による超音速の世界が、後の超音速民間機や戦闘機に与えた影響は非常に大きい。



もうひとつおまけである。
最新の爆撃機といえばついB-2 スピリットを思い浮かべやすいが、2があるということは1があるんだって気づくと面白い機体が現れる。
それが、B-1 ランサー爆撃機。B-52 ストラトスフォートレスの後継を目指して開発されたB-1/B-2だが、いずれもあまりに高価なため、B-52を置き換えるにはいたっていない。

★B-1 Lancer★

この爆撃機はB-2ほどステルスには特化していない。多少のステルス性は持つものの、あくまでおまけみたいなものである。
この機体の最大の特徴は、通常の戦闘機などでコストが高すぎるとして見送られ続けたあの技術を採用していることにある。


可変翼。
F-14 トムキャットを最後に、構造的な剛性の弱さや、その補強のためのコスト高に多くの場合採用が見送られる技術である。
大きな揚力を必要とするときには翼面積を大きくし、高速飛行時には抵抗を軽減させるために羽根をしまいこむという、独特の機構。


爆撃機というスタンスでありながらこの可変翼を採用し、その形状はB-2ほどではないにしろ既存の爆撃機とは一線を画する最新鋭爆撃機のひとつである。量産機のB-1Bは100機ほど生産され、配備されているが、B-52を置き換えるには至らない。
機内・機外を含め完全爆装で56tもの爆弾を実装できる。B-2がステルスを重視するためにその積載能力をおおきく削っているのとは異なり、B-52に匹敵、それ以上の爆装を施せる上、弱いながらもステルス性を持つ、まさにB-52の後継となるべき爆撃機である。


値段が高すぎるという点を除けば。


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