ささがにの蜘蛛のふるまひ

おー久しぶりに現代民俗学的お話でした。

後続車

続おどがみ

とっさにささがに、なんて言葉が出てくるとはねw
化物語で出てたっけな?



ささがに、漢字に直せば細蟹。語源はいくつかありますが、ささがねの、という言葉からの転じであるとか、蟹の八本足を蜘蛛に見立てたのだとか、笹の細さやその立てる音から蜘蛛を、というのまで。

とりあえず和歌では蜘蛛の枕詞となります。
ささがにひめと言えば織姫のこと。

蜘蛛の昔語りでは浄蓮の滝のお話が有名ですね。というか、このおどがみの話も明らかにそれをモチーフにしていますが。
蜘蛛は牛鬼や蛟、百足などと同様淵に棲む怪異であり、水辺に寄るな、はそこからです。
たばこを吸いながら近づいた、というのも古くからある怪異の撃退法としては定番中の定番。多くの怪異はたばこの煙を嫌います。百足なら唾液、とか有る程度怪異に対しての弱点は決まっています。こういうのは口裂け女のポマードなんかも同じかもしれませんねw

8/7が七夕なんで旧暦祝いをするとこなんでしょうが。東北方面の蝦夷も蜘蛛と呼ばれたのかなぁ…東北はあんま知らないんですよね。

さてさて、土蜘蛛は今でもいると言うことでしょうかねw
四国あたりに逃げ込んでる、ってのがうちの知る土蜘蛛の末ですが、未だに四国の民俗文化が閉そく的であること、いざなぎ流に代表されるような独特の呪術文化、いずれをとっても四国は日本においての魔界としての位置づけをもっています。

まあ東北もなんですが、この辺はいずれも中央からの距離とかの話が絡みます。
中国との貿易として瀬戸内の海運を利用するため、瀬戸内沿岸の四国、中国地方は朝廷との距離も近かった形ですが、中国山地を超えた先。四国山地を超えた先。そこは、古代朝廷にとって権威の届かないエリアでも有ったのです。
これらのエリアには土御門や賀茂といった中央集権においての呪術的中心である陰陽師の影響が薄れ、より土着信仰から発展したかたちの呪術が発展しました。

これらをして、中央はそれを蜘蛛と呼びならわし、中央に敵対するものとして征伐を繰り広げるわけですが、なんせ相手は山向こう。それも中国山地、四国山地は比較的”深い”山です。
“深い”というのは迷いやすく、超えにくい。

中央の権威は長らく届きにくかったようです。
やがて、これら蜘蛛も中央集権の権威下に下ることにはなりますが、民に根付いてしまった祈りまで消えるものではなく。
また、蜘蛛の恨みが消えるものでもなく。

これらの事情は関東以北の東北も同じような状況では有ります。

さて、このため、日本海側の中国地方。太平洋側の四国地方。これらには一種独特の民俗文化をもっています。
たとえば、作り話でしょうけども、コトリバコのような怪異、呪詛を生む素地。ちなみにアレも日本海側中国地方をステージにしています。

東北はマヨヒガといったモノの怪異を多くもつのに対し、四国、中国地方のそれは呪詛の性質を強く表に出します。これは大陸が近い、というのも関係しているのかもしれませんが。
特に出雲方面は天孫降臨での交代劇などもあり、その根底に流れる何か、というのは一種独特なのではないでしょうか。

同様に、中央集権から取り残されたために、影響下に入るのが遅れ、民衆に祈りが根付いてしまったエリアとしては信州は長野。こちらもこちらでまったく興味深い民俗文化を携えています。

ま、モチーフの浄蓮の滝は伊豆ですけどねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

しかし、地名のおどがみ、ってのはなんでしょうねw
おどみ、と言えば澱みとかそういう意味ですが、土蜘蛛を出してくるならおどがみのがみは神でしょうし。おど、で考えると脅かす、おどおど、驚く、おどけるとかですかねぇ? 古語でおど、なんていうかな?

なんかの音転な気はしますが。
はてw まああと一回なんかあるってフリしてるんできっと続くんでしょうw
こういうお話をさらっと書けるようになりたいもんですねぇw

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