たまには。

やる夫で学ぶ量子論

古典物理がちょっと駆け足なのと、古典から量子論への展開が基礎のない人にはちょっと難しいかもしれない。


ニュートンに代表される古典物理で重要なのは運動法則。

第1法則(慣性の法則)
第2法則(ニュートンの運動方程式)
第3法則(作用・反作用の法則)

この三つの大原則。そして、この中での運動方程式、は言いかえれば”モノは押した方向に動く”という見たまんまの出来事。
実際には運動量の変化を現すので微分の出番。要は、時間単位で変化する運動量は時間とともに変化し、それは力の大きさに比例し、力の方向に向いて働く、というもの。

えーいめんどくさいな。微分するってことはですね、この運動量の変化は必ず連続的に起こる、と定義されたようなもの。
ロケットあるだろロケット。あれが宇宙で進行方向と逆に向かってエンジンを吹かすと、まず噴射したガス(推進剤=プロペラント)の作用反作用の法則によってロケットに進行方向への力が加えられる。
この力が加えられるのはガスを噴射したときだけだ。

この与えられた力が大きければ大きいほど、ロケットは大きく加速する。この”加速”という現象そのものがこの運動方程式だ。

そして、最後に噴射をやめたロケットは、慣性の法則に基づいて加速した速度で等速直線運動を開始し、一定方向にまっすぐ進む。

これらの運動はすべて連続的に起こる。つまり、ガス噴射のエネルギーが100km/hの加速を与えるのに十分なエネルギーを与えたとしても、ロケットは瞬時に100km/hの加速を得るわけではない。
質量に比してじわじわと速度を上げていく。このじわじわ、の部分の計算式が運動方程式ってわけだ。

わかったか? わかんなくても先に進むぞwwwww
ちなみに古典物理だとそうやって加速しまくっていったとすると、理論上は現実の光速を超えてもおかしくはならない。

これが決定論的、というのはもちろんスレ内で言うようにラプラスの魔につながっていくんだが…。
ここはイメージしにくいよなぁ。

まず世の中にあるすべての物質、つまり分子も原子も何もかもがこの古典物理の運動方程式に従っていたと仮定する。
そうすると、あらゆる物質の運動を無限に正しい精度で測定することが可能であれば、いまから1秒後のすべての分子・原子の位置はエネルギーの量と運動方程式によって確定的に定まってくる。
そう、ブロントさんに言わせれば確定的に明らかなのだ。

もちろん、それが現実的に可能かどうかなんてのはどうでもいい。理論的にあり得るか、ありえないか、が大事なんだ。
1秒後がわかるなら2秒後も当然わかる。以下繰り返し。よって世界の未来は現在の状態から計算できる。

これがラプラスの魔だ。人間なんかだって分子原子の塊なわけで、その運動によって意志も決定しているわけだから、あらゆる予測が可能である悪魔は存在しうる。

これがラプラスの魔。こいつは量子論に入るためには避けて通れない存在であり、二重スリット実験、量子の重ね合わせの状態、観測者問題、確率的存在、すべてこのラプラスの存在を否定するものだ。


さあ、ラプラスも魔、とは何か。なぜ古典物理がラプラスの存在に至るかはこれでわかったな。わかんないやつは高校の物理のせんせぇのとこにでも聞きに行け。


ことみせんせぇが三つあげてくださってるが、正直ここに触れるのは波動と粒子をもちっとやらないと難しいんじゃないだろうか、と思ったり思わなかったり。
ちなみに、古典物理の段階では世の中は「波動(波)」か「粒子」でできている、と考えられていた。

波、は伝達するのに粒子の媒介を必要としており(水の上にできる波紋を考えればわかるよね、水がないと波紋は途切れる)、光が真空中も走るのはエーテルだとか言ってたわけですよ。

波とは粒子の運動である。そんな考えに近い。
とにかく何か媒介がねーと波は伝わらない。それが古典物理の常識。だから彼らは真空の中を満たす微細粒子の存在を信じたし、それを探そうとしたんだ。


だが、それは全く見つからないまま、エーテルの名前だけが一人歩きしていた。
事実の裏付けのない物理ほど無力なものはない。


さて。そんな中、ことみせんせーの言うように
・黒体放射
・光電効果
・原子モデル
の説明がつかないわけです。なんで説明がつかないのかはとてもめんどくさいのでパス。エネルギーの離散なんて簡単に説明するのはとても難しい。

プランクが出てきてプランク定数を言い出すことによって、エネルギーを離散的なもの、連続的ではないもの、と考えることによってはじめて成り立つのだけど、ぶっちゃけ通常の人間の見ている世界ではどちらであろうと違いはそれほどない。
ただ、一部の現象が理屈的に説明できないってだけ。そして、プランク定数を用いて離散的なもの、と考えればうまくいってしまう。

物理はより現実現象をより無理なく説明できる論理を正しいもの、とする理論だから、どれほど荒唐無稽であろうと現実の現象を説明できればそれでよい。

そして、このプランク定数からの話が量子力学の基礎も基礎、入口となる。


素粒子論におけるエネルギーの受け渡し。古典物理ではこれは連続的に行われ、エネルギーはベクトルを有する運動そのものと定義する。

ところがぎっちょん。

量子力学では、このエネルギーの受け渡しに何らかの存在が介在して行われるものである、と定義する。
このエネルギーの受け渡しをするのがエネルギー量子、その保有するエネルギーを定めたのがプランク定数。

別にエネルギー自体は物質的なものではないので、量子も”物質”ととらえてしまうと根本的に間違いである。

量子はあくまで、”エネルギーの受け渡しをするためのエネルギーの一形態”であって、物質そのものとは言い難い。もちろん、物質とてエネルギーの塊なので物質と言えば物質なのだけど。


黒体放射が一番説明しやすいのかなぁ…?

黒体放射。金属なんかを熱すると、特有の波長の光を放射する現象。炎色反応とは違いますよと。
☆の光とか星の温度ってのがこれですね。赤い星は温度が低く、青い星は温度が高い。アルデバランは低温ですがシリウスは高温の星です。

さて。金属だけなの?って思って調べてみると、これまた困ったことにこれが金属だけじゃなかったんですね。

ありとあらゆるものが、そもそも普通に常温の状態でもなんかを発していることがわかります。
そしてわかったこと。

高温になればなるほど青いスペクトルの光が出ます。
低音になるとどんどん赤いスペクトルに遷移していき、人間なんかは赤外線を出しています。もっと低温だと電波出します。波長がどんどん長くなってるわけです。

高温ってことは分子や原子がものすごく活発に動いている、すなわちものすごい大量のエネルギーを持っており、それの放射を行っているということになります。

そーすると困ったことに連続的に変化する、と仮定すると、その物質の持つエネルギーが高レベルで放射され、観測者に届くことになります。
高温に熱せられた金属が発する光を見た瞬間に人が蒸発してもおかしくないはずなのです。

ていうかどう考えても黒体放射を理解するには空洞放射や真空放射やらないとダメな気がします。
波と波長の関係と、エネルギーの等分配。

あー本気でめんどくせぇ。自分で考えろ。説明だりぃよこれwwwwwwwwwwwwwwwww

吉野あたりが説明するだろ多分。しなかったら各自考えろwwwwwwwwwwwwwwwwww


エネルギーの離散あたりまではまだちょっと考えれば付いてこれるレベルなんです。
ここまではいいんですよ、ここまではね…。

ここから先がいわゆる量子力学、素粒子論の最右翼、超タカ派。量子とはそもそも何ぞや、から波動関数、確率によって存在する世界の定義。どこまでついていける?wwww
エヴェレット解釈やコペンハーゲン解釈などが”中身はよーわからんがとりあえずどういうことかはイメージできる”とこまで行ければ、量子力学は一気に面白くなります。

なぜなら、その先にはエネルギーの波、無から生まれる隆起とビックバン、超紐理論、宇宙とはなんぞや?というミクロが一瞬でマクロ化するという体験ができます。
※車椅子の天才、ホーキングは天文学者ではなくて”物理学者”です。お間違えの無いよう。

ミクロはミクロで量子テレポーテーションや事象の地平と特異点、時空がらみの話のように特級の”何言ってんのこの人”的お話がてんこもりでうんこ盛りです。

このへんがイメージだけでも捉えられておくとSF読みがものすごく楽しくなってきます。
と、いうわけで各自思考実験がんば!w

空洞放射とかで調べれば理論的な話はひっかかってくるとは思いますよ。

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