こんぴーたーは電気ウサギの嫁を見るか?

最近ちょろちょろといろいろ面白い話が飛び込んできますね。

甲虫の玉虫色が、光コンピューター・チップ開発の鍵に

テレポーテーション型量子計算の実証に世界で初めて成功 NTT・大阪大学

次世代コンピュータの本命技術きちゃったじゃん


ノイマン型の制約を超えると期待されている次世代コンピューター。
っていうかそもそもどれだけの人がノイマン型とは何か、ってのを理解してるのかは謎。

ノイマン型ってのは現存するすべてのコンピューターがこれに該当する。

CPUの計算ロジックを搭載した部分(ALU)、そして記憶領域にあたるメモリ(Memory)、そしてこれらの制御装置(ControlUnit)、そしてこれらとの入出力のインターフェース部。
これらをある種のバスで接続する。CPUはこのControlUnitの一部とALUを結合したものだ。
NorthBridgeもこのControlUnitの一部に当たる。

この構造を有した上で、ALUは以下のようにふるまう。

プログラムカウンタから値を読み取り、その値のアドレスから命令とデータを読みだす。
読みだした命令とデータ分だけプログラムカウンタを増やす
命令をデコードし、その命令内容を実行し、様々なレジスタの変更を行ったり、プログラムカウンタの変更を行ったりする。
最初に戻る

こんだけ。これは、8086でもZ80Aでも6809でもかまわないけど、昔アセンブリ言語に触れたことがある人には実になじみ深いステップだったりするかと思う。
そのうえで、マイクロコードとは何か。アセンブラはアセンブリ言語をどう、何に変換するのか。そこまで理解していれば、この構造がどれほど単純なものかは知っていることだろう。

現存するすべてのコンピューター、そしてすべてのCPUやチップセット類はこの延長線上に存在しており、そのアーキテクチャは一切の変化はない。
マイクロコードの持つ命令長を短く刈り込んだのがRISCだし、超長命令群をマイクロコードに組み込んだのがCISCといったものになっている。CISCはおなじみ、みんなの知ってるインテル入ってるぅぅぅぅ、入ってきちゃってるううううアーキテクチャが代表格だ。

PA-RISCやAlphaなどの終焉を迎えたRISCを懐かしくおもうお前はおっさんである。
ネットワーク機器でおなじみのSHシリーズもこのRISCであるし、SPARCやMIPS(R2000って言った方がわかりやすいだろ)、ARMやPowerPCやPOWERもこの手のRISCに分類される。
もっとも最近はRISCも長命令群を持つようになってしまっているので、簡単には分類できないけどね。

これらの違いは置いておくにしても、これらはいずれも上記のノイマン型のブロックダイヤグラムに従い、単純なプログラムカウンタでの制御を行う。

これが、ノイマン型だ。

この最大の欠点は、メモリにある。演算装置の演算速度に比べて、メモリの読み出し、そして書き出しの速度は”あまりにも”遅すぎる。それがどれほど高速な一次キャッシュ二次キャッシュであろうが、プリフェッチしてでの倍速読み出しであろうが無駄だ。
この溝は絶対に埋まらない。メモリが10倍速くなったらCPUは1000倍速くなる。そんな調子だ。
クロック数の話じゃないぞ、言っとくが。勘違いする馬鹿がぜってーいるからな。速さ=クロック数だなんて。
昔はまだCPUとメモリ速度がひっ迫していた時期はあった。ほぼノーウェイトでCPUが動いていた時代。
しかし、それはすぐに破綻した。ノイマン型の限界が叫ばれ始めたのもそのころだ。

そして、非ノイマン型のコンピューターへの模索が始まる。

量子コンピュータや光コンピュータ、ニューロコンピューターなどである。これらの動作原理はまたにした方がいいんだろうけど、基本的にどれも”メモリ”と”CPU”という今の構造とは全く異なる。

今のノイマン型の一部置き換え、とかメモリを置き変えてとかそういう趣向のものではないんですよね。ナノガラス基板はまたちょっと別ですけど。
量子テレポーテーションは実に面白い代物で、不確定性原理の最たるもの。これが理解できて初めて量子力学ってやつの面白さが見えてくるところじゃないかなと思います。
興味があれば調べてみてください。

”なぜ”、量子テレポーテーションはそれのみでは情報の伝達に利用できないのか。
”なぜ”、量子テレポーテーションは光速を超えられないのか。

”ではどうやって”、量子テレポーテーションに情報を載せるのか。

そして、この答えこそが多世界解釈、エヴェレット解釈を元になされる”いくつもの世界”が”多重に重なり合っている状態”によって起こる摩訶不思議な、そして何とも驚くべき現象。

でも量子テレポの最終到着目標地点は量子こんぴーたーじゃなくて実際の有機物質もしくは無機物の超長距離転送なんだよね。

生命体だと送信元で一回殺すけど。

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